今春オープンしたイタリア料理店です。オーナーシェフはイタリア・マントヴァの3つ星「ダル・ぺスカトーレ」で副料理長を務めてきた、村山太一シェフ(36歳)。手打ちのパスタを売り物にしようと店名を「ラッセ」にしたとのこと。
夕食は、シチリア産ブラッドオレンジのグラニ―タにイタリア産のういきょうを添えた突き出しからはじまりました。南国のオレンジにこれまた眩暈を催すようなういきょうの香り、絶妙のスターターです。前菜は生のさばにりんご酢の香りとオリーブオイルを流し、フルーツトマトとハーブのソースを添えたもの。包丁が冴えていました。続いて、かさご、フォアグラなどが出ましたが、白眉は4種類のチーズを使ったラヴィオリ。リコッタ、マスカルポーネ、モッツァレッラ、パルミジャーノが精妙に溶けあい、簡潔にして、豊潤なパスタに仕上がっています。これを食べるために、この店に来る価値があるほどの逸品です。
主菜は子羊のロースト。子羊ばかりか、付け合わせの唐辛子と茶豆が主役に負けずに味と香りが豊かでした。デザートの杏仁の香る冷たいタルト“アマレッティ”とふうわりと仕上がったティラミス。どちらもうっとりさせる満点の出来栄えでした。
そして、1日置いて再び、今度は昼食に出かけました。栗カボチャの冷たいスープに茶豆をそえたスターターに食欲を掻き立てられ、味と香りの豊かな野菜サラダ(トマトは唸るような味わいです)がそれに拍車をかけました。さらに、四元豚とトマトのラグーソースのスパゲッティ。このソース、日本にいることを一瞬忘れさせる素晴らしい出来で、スパゲッティが何とも幸せそうでした。デザートは一昨日にいただいた、滑らかなこだわりのティラミス。エスプレッソも地獄のような熱さで、香り高く、しかも苦味がなく甘みを感じるほどで、食事を締めくくるのにふさわしい一杯でした。今年いただいた最高の昼食でした!ネットに投稿するのであれば、わたしはこの食事に満点を捧げるでしょうね。シェフが素材に注ぐ優しさと敬意を込めたま眼差しが、皿の上に溢れています。各季節に通いたくなりました。